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物流業務改善:QCD評価に於ける“Q”の評価方法とは

QCDとは、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の頭文字です。

現状の業務/業者評価を行う上で基本となる考え方で、この3つはあらゆるビジネス・業界において、欠かすことのできない重要な要素です。本ページでは、Cost(費用)・Delivery(納期)と比べて、評価検討がやや難しい・分かりづらいQuality(品質)の評価ポイントについて、物流事業者の視点で解説していきたいと思います。

なぜ、Quality(品質)の評価が難しいのか?

物流事業者選定におけるQCD評価のうち、Quality(品質)の項目にかかわる評価が難しい理由、それはズバリ評価軸として明確なものが無く、且つ定性的な指標であるから、です。

例えば、Cost(費用)であれば、現行起用の物流事業者と比べて純粋にコスト競争力があるか、運賃が高いか安いかの比較をすれば事足ります。又、Delivery(納期)であれば、所要日数の比較や定時運行率(予定スケジュール通りにオペレーションが進捗しているか)を比較する事で評価を行う事が出来ます。

(*「定時運行率」をQuality(品質)と判別することもございますが、「物流事業者の選定」という目的に沿ってここではDelivery(納期)に分類します)Cost(費用)とDelivery(納期)に共通することは、明確に数字を用いて定量的に比較分析が出来るという事です。

それに対してQuality(品質)はどうでしょうか?第一に、Quality(品質)を検証する上でのポイントは、例えば輸送品質そのものや、手配の正確性といったものから、カスタマーサービスの品質といったもので、考え方次第で複数通りあるため、どのポイントで評価するか次第で結果が変わってくると言えます。また、世間一般には、作業品質や生産品質を数値に落とし込む事で定量分析する方法はありますが、物流事業者の選定という「これから物流業務を委託する」という段階においては、まだ実業務が発生しておらずデータ(実績)が無いため、数値化=定量分析が行えないという場合がほとんどかと思います。

このような段階においては、会社の事業規模や拠点数で、品質を推し量ることは出来るかもしれません。事業規模や拠点数は、同社が積み上げてきた実績に比例する事が多く、規模が大きく拠点数が多い企業であるほど、それだけ多くのお客様に満足いただける物流サービスを提供できている、そのようなサービスを提供してきたという実績があると言えるかと思います。

一方で、事業規模や拠点数は大手に敵わなくても、お客様に長くご愛顧され続ける物流業者が存在していることもまた事実です。実は、ここにこそ、「Q」の評価を紐解くカギがあります。

Quality(品質)の評価ポイントとは?

事業規模や拠点数は大手に敵わなくても、お客様に長くご愛顧され続ける物流業者が存在し続けている理由、それは「カスタマーサービスの品質の高さ」と言えると思います。ここで言う「カスタマーサービスの品質」とは、大別すると次の通りです。

コミュニケーションの質

正確性・迅速性はもちろんのこと、物流面だけでなくお客様である荷主企業様のビジネスそのものを理解しようとし、それに基づいて先回りして心配事や確認事項に対して丁寧に対応していくコミュニケーションの質。

提案内容の質

依頼事項のみに留まらず、日々刻刻と変化する外部環境を捉え、最適な物流スキームを企画設計し実行案にまで落とし込むことができる企画設計内容及び提案内容の質。

リスク管理/対応の質

お客様にあわせた物流関連情報の提供ならびにそれらを踏まえたBCPの策定や提案。有事の場合に備えた、二の矢三の矢の手配を含めたリスク管理/対応の質

これらを推し量るためにも、起用検討候補先の物流事業者から過去現行起用事業者から見積取得した際と同じ条件でまずは相見積を取得されることをおすすめいたします。その相見積取得のやり取りを通じて、コミュニケーション・提案内容・リスク管理/対応の3点がしっかりと押さえられた提案が得られるか否かを是非チェックしてみてください。

まとめ

物流業界に限らず、全ての業界・業種において、デジタル化や省人化の動きがあることは抗う事の出来ないトレンドですし、この動きに乗り遅れては事業の中長期的な存続は望めない段階にまであるかと思います。一方で、国際物流の世界はまだまだ所謂規格化が進んでいない領域も多く、また国際輸送は各国それぞれの制約事項も絡み合うため単純化が難しい状況にもあります。そのような周辺環境下、すぐに気軽にコミュニケーションを取ることができ、ニーズにマッチする或いはそれを上回る情報の提供や提案をしてくれる物流事業者であれば、事業の規模や拠点数に関わらず、Quality(品質)を評価できるのではないでしょうか?

コミュニケーションの質が高く、不必要なやり取りを繰り返さなくて良いということは、お客様の貴重な時間を節約するという意味で、物流業務における生産性の向上に資するとも考えられるかと思います。 

当社、三菱商事ロジスティクスはお客様からのどんな些細なお問合せにも誠意をもってお答えいたします。お問い合わせをお待ちしております。


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