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国内の海上輸送にかかる日数はどのくらい?|内航海運の役割やメリット・デメリットも解説

国内の海上輸送にかかる日数はどのくらい?|内航海運の役割やメリット・デメリットも解説
INDEX 目次

海上輸送とは、船舶で海上ルートを通って物や旅客などを運ぶ行為です。物流には陸運や空運などの手段もありますが、日本国内における物流においては、海上輸送の占める割合が高くなっています。

この記事では、国内の海上輸送の事情について解説します。国内の海上輸送におけるメリット・デメリットなども解説するので、参考にしてください。

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海上輸送とは

海上輸送とは、船舶を利用して荷物や人を運ぶことです。物流の一種であり、海運とも呼ばれています。

一1度に運べる物の量が多く、輸送にかかるコストも低い傾向にあります。また、海上ルートを利用する関係上、長距離の移動がしやすいのも特徴です。

国内の海上輸送とは

国内の海上輸送について解説します。詳細や状況については以下の通りです。

内航海運と呼ばれる

海外から運ばれてきた物が港に降ろされた後、日本国内各地へ運ばれることは多くあります。そして、国内の港と港における海上輸送は内航海運と呼ばれます。

日本の土地は海に囲まれており、現代に限らず古くから使われてきた輸送手段です。

国内の海上輸送の状況

国内における輸送活動に用いられる手段は、主に船舶・自動車・鉄道・航空機などです。輸送活動量における内航海運のシェアは、全体の約4割を占めています。産業基礎物資の主要品目においては、内航海運が89.8%を占めています。

輸送活動量は、貨物の重量に貨物の輸送距離を掛けて求めることが可能です。また、貨物の重量をトン、貨物の輸送距離をキロとして、トンキロとも呼ばれます。

参考:内航海運の活動|日本内航海運組合総連合会

国内の海上輸送にかかる日数

海上輸送は、航空輸送や鉄道輸送といった他の手段と比べて、輸送にかかる日数が長い傾向にあります。例えば、本州の東京から北海道の苫小牧までのルートは、約33時間かかります。

また、提示される時間はあくまで目安であり、実際の輸送時間はもっと長くなる場合も少なくありません。航路や船のスケジュールの他、天候などさまざまな要因に左右されるからです。

国内の海上輸送に使われる船

国内の海上輸送には、さまざまな種類の船が使われています。ここからは、代表的な種類の船と、それぞれの詳細を解説します。

コンテナ船

コンテナ船は、海上輸送の主要手段です。さまざまな商品や貨物を専用のコンテナに収めて輸送できる点が特徴です。

大小さまざまなコンテナを甲板上に積み上げて輸送します。食品や衣類などに加えて、危険物の輸送も可能です。国際規格によってコンテナの重さやサイズが決められています。

RORO船

RORO船は、Roll-On/Roll-Off船の略称であり、貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま積載し、輸送する貨物船です。自動車や建設機械などの大型車両を効率的に輸送するために用いられます。

車両を直接載せられるという特性から、効率的で迅速な貨物の積み下ろしが可能です。

LPG船・LNG船

LPG船・LNG船はガスを輸送する船です。それぞれの特徴は、下記のとおりです。

  • LPG船(液化石油ガス船):ブタン・プロパンなどを液化したLPG(液化石油ガス)を輸送する貨物船。LPGタンカーとも呼ばれる。
  • LNG船(液化天然ガス船):天然ガスを液化したLNG(液化天然ガス)を輸送する貨物船。LNGタンカーとも呼ばれる。

各種専用船

海上輸送では、取り扱う物品ごとに専門の船を用意する場合もあります。代表的な専用船と、それぞれの詳細は以下の通りです。

種類

詳細

セメント専用船

セメントを粉状でばら積みして輸送する船

石灰石専用船

石灰石をばら積みで輸送する船

自動車専用船

自動車の輸送を専門としている船

ビルのように何層にもなった駐車場ビルのような造りをしている

国内の海上輸送の役割

国内における海上輸送は、さまざまな役割を担っています。ここからは、具体的な役割とそれぞれの詳細を解説します。

産業基礎物資を運ぶ

国内の海上輸送における役割の1つが、産業基礎物資を運ぶことです。産業基礎物資とは、さまざまな産業の原料となる物資・製品などを指します。

具体的には、石油製品、石灰石、鉄鋼、セメント、砂、砂利、化学薬品などです。なお、産業基礎物資は約8割が海上輸送で運ばれています。

参考:国土交通省 海事局/内航未来創造プランの進捗状況

工業製品を運ぶ

工業製品を運ぶことも、国内の海上輸送の役割です。例えば、自動車であれば専用船に積み込んで輸送し、トレーラーで運びます。

また、嵩高貨物や長尺貨物といった特殊貨物の輸送も行います。特殊貨物に該当する物として挙げられるのは、新幹線や地下鉄の車両などです。

生活に必要な物資を運ぶ

食料品や日用品など、生活に欠かせない物資も多くが船によって輸送されます。工場や生産地などで大量に作られた物も、全国各地の消費地に運ばれなければ意味がありません。

例えば、50%以上が北海道で生産される生乳は、RORO船などで関東に運ばれます。

参考:日本の酪農の現在 ~牛乳が生まれる原点のところ~│一般社団法人日本乳業協会

輸入・輸出品を二次輸送する

輸入品・輸出品を二次輸送することが、国内の海上輸送における役割です。日本における主要な港として、東京、横浜、名古屋、神戸、博多などが挙げられます。

そして、主要な港に輸入した物は、二次輸送により各地の地方港へと運ばれて、全国各地に届けられます。また、生産された物を生産地の港から大きな港へと運ぶのも、二次輸送です。

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国内の海上輸送のメリット

国内の海上輸送にはさまざまなメリットがあります。以下は、具体的なメリットとそれぞれの詳細です。

大量輸送ができる

国内における海上輸送のメリットとして挙げられるのが、大量輸送が可能な点です。タンカーやコンテナ船などの大型船舶では、1度に大量の貨物を積み込んで運ぶことができます。

また、船舶の種類によっては、陸上輸送に使うトレーラーなどもそのまま積み込み可能です。そのため、効率的な輸送の実現に繋がります。

エネルギー効率がよい

エネルギー効率がよいことも、国内の海上輸送におけるメリットの1つです。海上輸送は、トラック輸送や航空輸送に比べて、1トンの貨物を1キロ運ぶのに必要なエネルギーが少ない傾向にあります。

具体的な数値で比較すると、自家用自動車の約20倍、営業用自動車の約4倍のエネルギー効率となっています。

参考:よくある質問 日本の海運 | 独立行政法人 海技教育機構

環境にやさしい

国内の海上輸送におけるメリットとして挙げられるのが、環境にやさしいことです。海上輸送は他の輸送方法に比べてエネルギー効率がよいため、二酸化炭素の排出量を抑えられます。結果的に環境への負担軽減に繋がり、地球温暖化を防ぐ効果も期待できます。

国内の海上輸送のデメリット

国内における海上輸送にはデメリットもあるため注意が必要です。ここからは、代表的なデメリットとそれぞれの詳細を解説します。

輸送にかかる時間が長い

海上輸送として、輸送にかかる時間が長いことが挙げられます。基本的に、港から港への輸送には少なくとも数日間かかります。

輸送ルートによっては1か月かかる場合も少なくありません。そのため、食料品や緊急性が高い物を輸送するには不向きです。

運行状況が不安定になる可能性がある

海上輸送は気象条件や地政学的リスクに左右され、運行予定にズレが生じる可能性があります。たとえば、台風やハリケーン、軍事的要因の影響による迂回などで予定通りに船が運行できないなどです。

このようなやむを得ない要因によって輸運行状況が不安定になってしまうケースもあります。

必要な書類手続きが多い

海上輸送では、輸出入に関する規制が厳しいため、以下のように多くの書類の手続きが必要です。

  1. 集荷:工場や倉庫から港まで貨物を運送する
  2. 搬入:貨物を港のコンテナヤードに集積する
  3. 輸出通関:通関へ貨物を申告し、輸出許可を得る
  4. 積荷:貨物を船舶へ積み込む
  5. 出港:目的地へと出港する
  6. 着港:目的地へ着港後、諸手続きを行う
  7. 搬出:目的地の港のコンテナヤードに貨物を集積する
  8. 輸入通関:通関に申告し、輸入許可を得る
  9. 配達:貨物を最終仕向地へ運搬する

必要な書類は、それぞれの国の法律に適合させる必要があり、目的地の港に到着してからの国内輸送に関しても手続きが必要です。

手続き全体で時間とコストを要するため、輸出入業者にとっては大きな負担となります。

h2:国内の海上輸送の今後

国内における海上輸送は、モーダルシフトの推進という点でも注目されています。モーダルシフトとは、トラック輸送を海上輸送や鉄道輸送に転換することです。モーダルシフトの主な目的は、CO2排出量の削減による環境への負担軽減です。

そして、モーダルシフトに関する施策は、国土交通省も取り組んでいます。具体的には、フェリー・RORO船などにおける、輸送量・輸送分担率の倍増を目指すことが提示されています。

まとめ

海上輸送の概要や国内における海上輸送の役割、国内の海上輸送のメリット・デメリットなどを解説してきました。物流の重要性は年々高まっており、効率的なシステムやフローの構築は欠かせません。

三菱商事ロジスティクスは、機械・化学品・消費財など、多岐にわたる製品の物流を取り扱ってきました。高度な物流ノウハウを活用した、最適な物流ソリューションモデルの構築を提案します。

日常的に輸出入をしているメーカー・商社の担当者の方は、ぜひ三菱商事ロジスティクスへの依頼を検討してみてください。

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